2021年10月30日 / 最終更新日 : 2021年10月28日 yamaokareiko ファスティング/断食方法

根拠を知って効果的にファスティング！6つの身体の変化を科学的に解説

こんにちは。プロフェッショナルファスティングマイスターの山岡玲子です。

「断食が身体に良い」とは聞いたことがあるかと思いますが、実際に身体の中でどんなことが起こっているのかをご存じでしょうか？

ただ「何となく身体に良さそう」と思ってやるよりも、きちんと根拠を知ったうえでファスティングに臨む方がより効果的な結果が出てきます。

今回は断食の6つの効果を科学的にご説明しますね♪

断食から12時間後：ケトン体産生

断食を始めるとエネルギー源の糖分が外から入ってこなくなるため、体内にあるものでエネルギーを作るように働きます。

まず貯蔵されていた肝臓のグリコーゲンがエネルギーとして使われます。

肝臓のグリコーゲンは約12時間ほどで枯渇されるといわれており、そのグリコーゲンが枯渇すると、次に脂肪酸がエネルギー源として動員されます。脂肪酸はそのままではエネルギーとして使えないため、肝臓でケトン体に変換されます。（論文　PMID: 29086496）

ケトン体は脂肪が分解されて合成されるものなので、ケトン体が増えてくる＝脂肪燃焼・ダイエット効果につながります。

また、体内に取り込まれた重金属やカビ毒などの有害物質は脂肪に溜まるため、その脂肪が分解されることでデトックスにもなるわけです。

さらに、ケトン体は脳や神経細胞にも大きく作用し、脳内でα波を出してリラックス状態を高め認知機能を向上させるといわれています。

ケトン体が増えることで、ダイエット、デトックス、認知機能の向上効果があるんですね。

断食から16時間後：サーチュイン遺伝子活性化

脂肪が分解されてケトン体が増えると、NAD（ナイアシン）が増加し、それによって、サーチュイン遺伝子が活性化されます。

サーチュイン遺伝子は別名「長寿遺伝子」ともいわれています。

これが活性化するとエネルギーを作るのに欠かせないミトコンドリアの新生が促進されたり、細胞を老化させる体内の活性酸素が除去されるなどの作用があり、アンチエイジングに効果があります。

断食から24時間後：オートファジー活性化

オートファジーは“自食作用”とも呼ばれる“細胞の中のゴミ掃除＆リサイクルシステム”のことです。

細胞が飢餓状態になったときに、細胞内で古くなったタンパク質やミトコンドリアなどの細胞小器官、細菌やウイルスなどを集めて分解し、分解してできたアミノ酸をまた再利用するという機能です。

このオートファジーが断食開始24時間後から活性化するので、（論文　PMID: 30430746）細胞１つ１つがキレイな状態に蘇り、代謝や各臓器、血管、お肌など様々な部分に良い影響をもたらします。

ちなみに、断食に加えて運動すると、よりオートファジーが高まるといわれています。（論文　PMID: 30430746）

断食から24時間後：インスリンレベルの低下

インスリンとは膵臓から分泌される血糖値を下げるホルモンです。

食事をした際に、血中のブドウ糖を筋肉などに送り込み、血糖値を調節してくれるホルモンです。また、肝臓で脂肪の合成を促すホルモンでもあるため、インスリンが高いと脂肪合成が進み、インスリンが低いと脂肪が燃えていきます。

断食をして24時間が経過するとインスリンレベルが約50％低下していくので、脂肪がどんどん燃えていきます。

断食から48時間後：成長ホルモン増加

断食から48時間経過すると、成長ホルモンは5倍になるともいわれています。（M L Hartman,1992）成長ホルモンは、別名“若返りホルモン”とも呼ばれており、骨密度を高めてくれたり、疲労や怪我の回復、脂肪の減少、美肌効果など、アンチエイジングに働きます。（Daniel Rudman,1990）